卒業生の体験談
歯科医療の最前線で活躍する卒業生たち
「何をしてあげられるのか」常に考え、行動しています。
友岡歯科医院歯科衛生士
松﨑智保さん(第39期生)
●歯科衛生士になったきっかけは?
進路を考えた時に、一生使える資格を取りたいという思いがありました。看護師という選択肢もあったのですが、学校説明会の時に「夜勤がないので子育てしやすい」「退職しても復帰することができる」という所に魅力を感じて歯科衛生士を目指しました。
●歯科衛生士になって、どの様な試行錯誤がありましたか?
実際の現場では、患者さまによって様々なお口の悩みがあり、患者さま一人ひとりにあった接し方や話し方、コミュニケーションについて、いつも悩んでいました。
●資格以外に、必要(大切)なことがありますか?
「知識」と「思いやり」は大切だと思っています。知識がなければ患者さまの為になる提案もできないし、思わぬ事故にもつながりかねないと思います。そして、目の前の患者さまに何がしてあげられるだろうと、思いやりを持って接する事が大切だと思います。
●歯科衛生士を通じてのやりがいとは何でしょうか?
どうすれば患者さまに満足していただけるのか。その為には、自分に何ができるだろうかと常に考え、行動しています。患者さまの笑顔や頂いた感謝の言葉にやりがいを感じ、私の大きな励みとなっています。
●「口腔ケア」での歯科衛生士の役割とこれからの展望は?
役割については、口腔ケアはただの口や歯の清掃だけではなく、患者さまやそのご家族の気持ちも一緒に考えるケアだと思っています。今後、「口腔ケア」をあまり知らない人に少しでも必要性を理解してもらい、もっと提供していける体制ができていければ良いと思います。
患者さまの立場に立ったサポートを心がける
ひめやま歯科診療所 歯科衛生士
大戸仁美さん(第46期生)
●歯科衛生士として、一番辛かったことは?
口腔内のブラッシングの大切さをしっかりと説明していたつもりでしたが、なかなか理解してもらえず、落ち込むことがあった時です。
●逆に、一番嬉しかったことは?
患者さまの笑顔や「ありがとう」という言葉をいただいた時はすごく嬉しかったです。入れ歯が、なかなか合わなかった患者さまから「おいしいごはんが食べられました。ありがとう」ととても元気な声でお電話をいただいた時のことは今でも忘れません。
●日頃から大切にしていることは?
ドクターと連携し治療を進めていく中で、患者さまの気持ちや言葉をしっかり聞くことを大切にしています。また、患者さまの立場を考え、笑顔で話すことで、症状や気持ちを伝えてくれますし、不安を鎮めて穏やかにしてあげることも大事なことです。
●将来への目標や展望は何ですか?
次も「歯のお掃除をしてもらいたい」と信頼され、患者さまのために貢献できる歯科衛生士になりたいです。
日々、成長できる、やりがいのある仕事です
せぐち歯科医院 歯科衛生士
衞藤香織さん(第47期生)
●歯科衛生士になって思い出深い出来事は?
患者様のお口の清掃をしたときに「歯がツルツルになって気持ちがいいよ、ありがとう」と笑顔で言ってもらえた時です。そのたびに歯科衛生士になってよかったなと思います。
●先輩方から影響を受けたことは?
先輩方が患者さまに対して丁寧で的確な対応をしていて、とても素晴らしいと思いました。後輩の私にも丁寧に教えていただきました。私も先輩方のような対応ができるように心がけていきたいです。
●チーム医療について思うことは?
ドクターやスタッフとのコミュニケーションが一番大事だと思います。伝達事項はしっかり伝え、分からないことはすぐに確認をすることで治療がスムーズに行えます。
●歯科衛生士を目指す学生へ
知識や技術だけでなく、患者さまと接することで自分自身も日々成長できるやりがいのある仕事です。勉強は初めて習うことばかりなのでたくさん覚えなければならないですが、一生涯続けることのできる仕事なので、ぜひ頑張ってください。
未来の自分が有りたい姿「ビジョン」を意識するべきですね。
株式会社クリエーション代表取締役
黒崎大介さん(2000年卒)
●個人ラボと「匠」
歯科技工士になって17年になりますが、20代半ばの頃には、すでに独立したい思いがありました。「独立開業」できるのも歯科技工士の魅力の一つでもありますが、リスクもあるので覚悟は必要ですね。
私のラボでは、他と競い合うために、ある程度の付加価値をつけるようにしています。常に専門書や勉強会に参加してハイクオリティな技工物にも対応出来るように努めています。競争原理の中にさらされてはいますが、そのことを自分のバネと思い、今は逆に楽しんでいます。
●挫折から這い上がれた理由
実は、これまでに挫折した時期もあったんです。でも、そこから這い上がってこれたのは、学ぶことへの向上心と自分なりのビジョンがあったからだと思います。
●仕事のやりがい
この仕事のやりがいといえば、私は「デンチャー」(入れ歯)が得意なのですが、その為には患者さまの口をトータル的に見極め、製作をしていかなければなりません。かなり責任が重いのですが、逆にその点にやりがいを感じています。
●歯科技工士のこれから
仕事のONとOFFを上手く切り替えて両方楽しむようにしています。よく「歯科技工士らしくない」と言われますが、これが自分のスタイルですし、仕事とプライベートの切り替えは、仕事する上で大切な事だと思います。
今後、歯科技工士は、さらに重要視される職業だと思っています。高齢化の中、入れ歯などの「歯科技工物」の需要は、さらに高まっていくからです。保険適用の分野は魅力的な市場ですし、地道にやっていけば必ずチャンスは巡ってくると思います。
これまでの歯科技工士のスタイルに束縛されない、自覚が大事です。私自身、これからの「新しい風」になれればと思っています。
ものづくりが得意であれば、間接的でも人を救うことができるんです。
有限会社ピーエムラボ 歯科技工士
前田奈津子さん(2013年卒)
●技術を「教える」ことの大切さ
高校在学中に進路ガイダンスがあり、そこで初めて「歯科技工士」という職業を知りました。オープンキャンパスでの体験実習後は、歯科技工の高い技術力を痛感させられましたが、時間が経つにつれ、逆に魅了されてしまいました。
ある時、後輩に仕事上の悩みを相談されたんです。昔の私と全く同じ内容でした。私なりにアドバイスをしたのですが、こちらも勉強になり、逆に励まされたような気がします。あらためて技術を「教え伝える」ことの大切さを知りました。
職に就いて間もない頃は、数をこなせず悩み、学校での「きれいな模型」づくりから臨床との差に戸惑っていました。「私ってこの仕事に向いてないのかなあ」って(笑)、上司や先輩方にアドバイスを頂くうちに今では、同時に他の作業も任せて頂けるようになりました。
一つひとつの技工物に対し「患者さま」のことを考え、製作しています。上司や先輩方のそれらを考慮した上での、迷いのない製作過程を見ると憧れますね。私にとって一番身近な「匠」です。
この分野で女性の進出が増えてきていますね。この職業は、女性の方に向いていると思います。手先が起用ですし、静かに淡々と製作し続ける印象があります。丁寧で細やかな作業は得意分野ではないでしょうか。最近は、作業環境や就業時間も含めて随分働きやすくなったと周りから聞きます。事実、勤めている女性の方が増えてきましたね。作業そのものが、女性の身体にやさしいですし、産中産後や復職のことを考えると、一度身につけた技術があれば、安定した生活ができると思います。
新しい流通システムと環境で「匠」を育てる。
有限会社サンエイデンタル 代表取締役
吉岩徹哉さん(1992年卒)
●平均年齢28歳。若い男女達の歯科技工士が活躍中。
歯科技工士に対して昔からのイメージを持たれている方が、私共の会社を見学されますと、まず「明るくて広い職場環境」と「若い男女の活躍する姿」に驚かれます。弊社は、平均年齢が28歳と若い技工士が多く、40歳〜50歳代が中心のこの業界では特異と言えます。
若い人材の定着を図るため、各々の技量に応じた製作担当、製作量も自己申告制にすることで責任の負担軽減と勤務時間の調整を可能にしています。また、クリーンな室内環境づくりへも積極的に取り組んでいます。
●新しい流通システムで業界に革命。
大分県は全国で屈指の規模の大きな歯科技工所が多い「歯科技工立県」です。全国から受注できる新しい流通システムの確率、安定化により、経営規模を大きくできたからです。大分県における歯科技工士の新卒離職者は、大卒3年以内による全国平均値の離職率よりもかなり低く、他業種に比べ安定しているといえます。それにもかかわらず、まだまだ古いイメージを持たれている方がいる中で新時代の歯科技工士を上手く発信できていないことは、我々、経営者も含めて喫緊の課題だと認識しています。
●九州出身の若者を「匠」に育てたい。
弊社の九州出身者は、向上心が強く目標意識も高い優秀な人材が多いです。地域への愛着も感じられ、生涯の仕事として取り組んでくれています。国の保険制度によって技工物の制作費は安定しています。さらに高齢化が進むことで、入れ歯だけでも10兆円産業になると言われています。歯科技工士という仕事は、人体の一部を作る「モノづくりの極み」の職業だと自負しています。この誇りをもった若き匠たちを私は全力で育てていきたいと今取り組んでいるところです。